7/5 18:00- 初見後の偉そうな賛否両論 個人的には楽しかった
☆5段階評価
5 めちゃくちゃ良かった
4 かなり良かった
3 普通に良かった
2 あまり良くなかった
1 ダメ
演出 ☆☆☆
- 良かった点:全体的に現実味を重視している。対局の雰囲気や人への感情・やり取りをありのまま伝えようという意は伝わった。三面打ちのような主軸がいくつもあるシーンでも、なるべく能動的に主軸を切り替えて分かりやすさを汲んでいる。
- 気になった点:舞台を大きく使うような、印象的な演出はそこまで多くなかった。対局している時の殺陣やダンスでの指し手など碁についての見せ方は工夫していたけど、佐為の登場や理科室窓越しでのヒカルとアキラのやり取りなど、(演出してはいたけど)もっともっと盛り上げていいと思う場所もあった
※演出か脚本の問題かは分からないけど、最序盤の碁会所に全員役者がいるところからキャラ紹介が始まるのはちょっとどうなのかな…………。
脚本 ☆☆
- 良かった点:短い時間の中に入れるセリフとして本当に重要なものに絞っているなという、制約の中での努力を感じるような、不要なシーンの無い作りだった(後述)。人数が限られている故に出せないキャラの部分を他のキャラにそれほど違和感なく割り当てたりはしていた、と思う。
- 気になった点:原作を読んで知って覚えている観劇者をメインターゲットにしているのがはっきり分かる作り。原作を読んでいないと話の流れが繋がっていないように感じる部分がそこそこあった。話の流れというか、キャラクターの繋がりが。ヒカ碁は元々キャラクター間の結びつきを重視して書かれている作品なので、シーンをすっ飛ばした上でフォローが入らないと舞台だけでは原作とキャラクター性が異なって見えてしまう。
ヒカルを中心とした物語としては成り立っているけど、個々のキャラクターがどのように考え振る舞っているかの描写が甘く、カットするべきではなかった流れもあると思う。三谷の20円はなんとかなりませんでしたか…?
あと二人称のミスがたまにあった。しっかりしてほしい。
歌 ☆☆☆
- 良かった点:原作に存在するモノローグを主に歌詞に採用している点は原作に重きを置いていて良かった。佐為とアキラの対局、葉瀬中学園祭、ヒカルの目覚め、囲碁部大会など、空気感の異なるシーンごとに曲調を変える、はできていた。感情表現ではなく精神の在り方を表現するための歌であることをどう捉えるかは、観劇者の好みかもしれない。
- 気になった点:どの曲も概ねメロディアスさが薄い。歌詞が無理に合わされているような感覚がして初見では頭に入りにくいものが多かった。というか譜割りが微妙…? 原作にある言葉をうまく使っている曲もあれど、舞台的に解釈して広げるのではなく陳腐な表現に留まっているものがある。良く言えば保守、悪く言えば停滞。もっと一曲の音楽としてのクオリティを上げてほしい。
良かった点で言及したけど、全体的に曲調が雑多なので(葉瀬中の辺りからロックだった)「ヒカルの碁のミュージカルで歌われた曲」という統一感がもう少し欲しかったように思う。
※歌唱力自体はまちまちだが概ね上手いな〜と思った。特にヒカルと佐為。塔矢名人も上手いのだが名人棋士というキャラに乗せきれていない感もあったかも。